(ブルームバーグ):小規模な暗号資産(仮想通貨)に連動する上場投資信託(ETF)が今週、米金融市場で相次いで取引を開始した。米政府機関の一部閉鎖が続く中でも、運用会社は上場手続きを進めた。
この種のETFの先駆けとなる「ビットワイズ・ソラナ・ステーキングETF」(BSOL)が28日に上場した。時価総額6位の仮想通貨ソラナに100%のエクスポージャーがあり、ブロックチェーン運用への貢献で報酬を受け取る「ステーキング」機能を持つETFだ。
デューン・アナリティクスによると、BSOLの利回りは約7%。

ライトコインやヘデラ(HBAR)など、あまり知られていない暗号資産を取り上げたETFも取引を開始した。ニューヨーク証券取引所の通知によれば、グレースケールが運用する別のソラナETFも29日に取引開始の予定だ。
米証券取引委員会(SEC)の業務停止下では、一部の申請が20日後に自動的に有効になるとの指針があり、暗号資産ETFの運用会社はこの手続きを活用した形だ。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のエリック・バルチュナス、ジェームズ・セイファート両アナリストはリポートで、「他社に先行する早期上場は、混み合う市場で有利な立場を築き、長期的な成功を決定づける可能性がある」との見方を示した。
ビットワイズ・アセット・マネジメントのハンター・ホースレー最高経営責任者(CEO)は、政府閉鎖の有無にかかわらずBSOLの立ち上げには絶好のタイミングだったと説明。
「SECのアトキンス委員長と暗号資産の作業部会は、この資産クラスを開放する意向を非常に明確に示してきた。デジタル資産の見通し全般がこれほど明るかったことはかつてない」と述べた。
ビットコインやイーサに連動するETFの成功を踏まえ、運用会社が暗号資産関連の新商品拡充に動くのは自然な流れだ。
ビットコインとイーサのETF運用額は現時点で計1700億ドル(約26兆円)を超え、運用会社はデジタル資産のラインアップを急拡大している。BIの試算によると、ブラックロックの「iシェアーズ・ビットコイン・トラストETF」(IBIT)は、約1000億ドルの資産残高から年間2億ドル超の手数料収入を確保している。
仮想通貨関連ETFの取引開始
28日に少なくとも3本の新ファンドが上場
出所:ブルームバーグ
原題:New Crypto ETFs Launch in Crowded Field Despite SEC Shutdown (2)(抜粋)
--取材協力:Vildana Hajric.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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