(ブルームバーグ):米軍は27日、東太平洋で4隻の船舶を攻撃し計14人の「麻薬テロリスト」を殺害、1人が生存した。攻撃後、米軍は生存者の捜索・救助活動を開始したが、最終的にメキシコ当局がその任務を引き継いだ。
ヘグセス米国防長官は28日、ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)に投稿し、27日に行われた3回の攻撃で14人を殺害したことを説明した。
メキシコが捜索に関与したことは、米軍の攻撃対象地域が一段と拡大していることを示唆している。最初の「密輸船」攻撃は9月、カリブ海のベネズエラ沖で行われた。先週にはコロンビア沖とみられる太平洋で初の攻撃を行った。
メキシコ外務省はコメント要請に応じていない。
ヘグセス長官は「4隻はいずれも米諜報(ちょうほう)機関が把握していたもので、違法薬物を積載して既知の密輸ルートを航行していた」と説明。「これらの麻薬テロリストはアルカイダよりも多くの米国人を殺害しており、同様の扱いを受ける。われわれは彼らを追跡し、ネットワークを突き止め、狩り出して殺害する」と述べた。
4隻に向けて3回行われた今回の攻撃は、トランプ政権下での中南米麻薬カルテル掃討作戦において最大規模となった。トランプ氏は米国が麻薬密輸組織と「非国際的な武力紛争」にあると宣言している。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の中南米担当アナリスト、ヒメナ・スニガ氏は「今回の作戦がメキシコの領海もしくはその近くで行われたとすれば、メキシコ当局との協調、少なくとも事前通報のもとで実施された可能性が高い」と電子メールで指摘した。その上で「メキシコは米国との強固な関係を維持している。トランプ政権の予測不能な対応を考慮しても、単独で行動して両国関係を損ねる理由はない」と述べた。
原題:US Hits Four ‘Narco’ Boats as Mexico Joins Hunt for Survivor (1)(抜粋)
(ヘグセス長官のコメントやアナリストの分析を加えます)
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