(ブルームバーグ):片山さつき財務相は28日の閣議後会見で、前日のベッセント米財務長官との会談について、「直接的に金融調節をどうすべきかの話はなかった」と述べた。同省内で記者団に語った。
米財務省が日本時間28日午後公表した声明によると、ベッセント氏は会談で「健全な金融政策の策定とコミュニケーションが、インフレ期待の安定と過度な為替変動の防止を図る上で重要な役割を果たす」と強調。アベノミクス導入から12年が経過し、現在は経済環境が大きく異なることも指摘したという。
同声明の公表後、円相場は対ドルに上昇。一時151円76銭を付けた。ベッセント長官の発言が伝わったことや、高市政権発足後の円安進行について、城内実経済財政政策担当相が日本の実体経済に与える影響を引き続き注視する考えを示したことが材料視された。
米側の公表文から、日本銀行の利上げが促されているように見えないかとの問いに対し、片山財務相は「促すというようなことではなかったのではないか」と回答。ベッセント長官は中央銀行の独立の必要性を理解しているとも述べた。
片山財務相は27日の会談後の取材で、日銀の金融政策について話題にならなかったと説明。為替の共同声明に関しても「機微にわたる話は出なかった」と述べていた。28日の会見でも、「一般論としてお答えしただけで、特にそれ以上の議論にはなっていない」と話した。
日米財務相は9月、為替介入は過度な変動に対処するためのものに限るとの見解などを示した共同声明を公表。会見では、両財務相が共同声明の内容を引き継いでいると指摘した上で、為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのが望ましいと述べた。
(詳細を加えて更新します)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.