米半導体大手エヌビディアとドイツの通信大手ドイツテレコムは、同国で人工知能(AI)システム向けの10億ユーロ(約1780億円)規模のデータセンター計画を発表する準備を進めている。AIシステム開発を支える欧州のインフラ拡充に向けた取り組みの一環。

事情に詳しい関係者によると、両社はこのプロジェクトに出資する方針で、欧州最大のソフトウエア企業SAPが同施設の顧客として参画する。関係者は、詳細が未公表だとして匿名を条件に語った。

今回の計画は、来月ベルリンで開かれるイベントで、ドイツテレコムのティム・ヘットゲス最高経営責任者(CEO)、エヌビディアのジェンスン・フアンCEO、SAPのクリスチャン・クラインCEO、ドイツのウィルトベルガー・デジタル相が共同で行う予定だという。

欧州の政策当局者やテクノロジー企業の経営者らは、域内で独自のAIエコシステムを構築し、米国や中国のライバルに追いつく必要があると指摘している。米国だけでも、マイクロソフトやアルファベット傘下のグーグルなどの大手企業が、AIのコンピューティング能力を拡充するため数千億ドル規模の投資を進めている。

この報道を受け、ドイツテレコムの米国預託証券(ADR)は一時2.2%上昇し、取引時間中の高値を付けた。

関係者の1人によると、新施設はミュンヘンに建設される予定。エヌビディアとドイツテレコム、SAPはいずれもコメントを控えており、ドイツのデジタル省も取材要請に現時点で返答していない。

原題:Nvidia, Deutsche Telekom Plan €1 Billion Data Center in Germany(抜粋)

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