米投資会社バークシャー・ハサウェイの株式に異例の「売り」推奨が出された。収益に対する慎重な見方と、資産家ウォーレン・バフェット氏の退任をめぐる懸念、マクロ経済リスクが理由だという。

米投資銀行キーフ・ブルエット・アンド・ウッズ(KBW)は、バークシャーのクラスA株について投資判断を「マーケットパフォーム」から「アンダーパフォーム」に引き下げた。アナリストのマイヤー・シールズ氏は、26日付のリポートで「多くの事象が悪い方向に動いている」と指摘した。ブルームバーグが追跡するバークシャー担当アナリスト6人のうち、「売り」に相当する評価を付けたのはKBWだけだ。

KBWのシールズ氏は「マクロ経済の不透明感に対する懸念や、バークシャー特有の後継リスクに加え、業績面での課題が顕在化または継続することで、株価は市場平均を下回るとみている」と述べた。

バークシャーは5月、副会長のグレッグ・アベル氏を最高経営責任者(CEO)後継者に任命した。世界屈指の資産家である創業者バフェット氏は来年1月1日をもって、自らが推したアベル氏に時価総額1兆2000億ドル(約184兆円)企業の経営を託す。同社は保険や鉄道、消費財企業のほかにも、アップルやアメリカン・エキスプレスなどの株式を保有する。

 

バークシャーのクラスB株は27日の取引で約1%下落した。年初来では7.8%上昇しているが、S&P500指数の16%高を大きく下回っている。

シールズ氏は「残念ながら後継者の開示は株式にとっては不都合であり、バフェット氏の存在に依存できないとの見方から投資家を遠ざけるだろう」と説明し、株価をさらに圧迫する可能性があると指摘した。

また傘下のGEICOやバークシャー・ハサウェイ再保険グループ、投資収益部門、バークシャー・ハサウェイ・エナジー、バーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道(BNSF)など、複数の事業部門で収益面の課題が続く、または新たに発生することで、株価が引き続き市場平均を下回ると予想している。

原題:Berkshire Gets Rare Sell Rating on Risks in Earnings, Succession(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.