(ブルームバーグ):米トランプ政権は、量子コンピューター業界への資金支援の可能性について、関連企業と初期段階の協議を進めている。米中の間では技術覇権争いが激化しており、量子コンピューターもそうした分野の一つだ。
事情に詳しい複数の関係者によると、商務省の複数の当局者は量子コンピューター業界幹部と、国家安全保障上重要と見なされる企業やプロジェクトを対象に国内半導体業界支援法(CHIPS法)に基づく資金を活用する可能性について意見交換を行った。協議はまだ予備的段階にとどまっており、資金規模や株式取得など具体的な話し合いには至っていないという。
資金支援を実施する場合、政府は見返りを求める方針を示している。関係者らは、協議は非公開だとして匿名を条件に語った。関係者は詳細は明らかにしなかったが、インテルの株式を政府が約10%取得することで合意した事例が、一つの参考になる可能性があると指摘した。
まだ初期段階ではあるものの、こうした協議は政府が、人工知能(AI)などの分野で米国の技術的優位を維持する上で量子コンピューターを不可欠な新興産業と位置付けていることを示唆する。中国がAIや量子技術に国家資源を注ぎ込む中、地政学的ライバルの台頭に対抗するため米政権がどこまで踏み込んだ姿勢を取るかを物語っている。
商務省およびホワイトハウスの報道官にはコメントを求めて連絡を取ったが、これまで返答を得られていない。
原題:US Weighs Quantum Computing Boost in Effort to Counter China(抜粋)
--取材協力:Michael Shepard、Maggie Eastland.
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