最近の相次ぐ新規株式公開(IPO)の成功を受け、未公開企業への関心が急速に高まっている。投資家が、上場前の人工知能(AI)関連企業に投資する機会を求めているためだ。

自衛力認定投資家に未公開株への投資機会を提供するプラットフォームでは、問い合わせや取引件数が増えている。クラウドサービスを手掛ける米コアウィーブやデザインソフトの米フィグマなどAI関連銘柄が、上場直後に大きな値上がりを見せたことが背景にある。

エクイティーゼン・セキュリティーズが運営する未公開株の流通市場では、7-9月(第3四半期)の取引高が前年同期比で2倍余りに増えた。レインメーカー・セキュリティーズのプラットフォームでも、7-9月期の買い注文総額が1-3月(第1四半期)比で3倍強に膨らんだ。ただ買い注文は必ずしも取引にはつながらない。

創業時の社員やベンチャーファンドの保有株が売り出される未公開株市場での実際の取引規模は、公開市場を大きく下回る。それでも、IPOで初期投資家に向かう利益の一部を取り込もうとする動きが投資家の間で広がっている。

レインメーカーのマネジングディレクター、グレッグ・マーティン氏は「投資家は公開市場でAI関連銘柄について手を尽くしてきたが、イノベーションの多くは未公開市場で起きている」と話す。

公開市場と同様に、エクイティーゼンのプラットフォームでもAI関連企業の人気は高い。同社によれば、アンソロピックやカーソル、グリーン・テクノロジーズ、パープレキシティなどAIを基盤にしたスタートアップに加え、タニウムやレルティオなどAIを自社サービスに組み込み始めた既存のソフトウエア企業に対する投資意欲が強まっている。

未公開株取引のマーケットプレイスを運営するフォージ・グローバル・ホールディングスのデータによると、AI関連企業が取引全体の約3分の1を占める。フィンテックや企業向けソフト、防衛技術も人気セクターとなっている。

レインメーカーのマーティン氏は「株式市場が活況で、特にIPO市場の盛り上がりがあると、流通市場の需要も高まる傾向がある」と分析した。

原題:Roaring AI-Linked Debuts Drive Demand for Pre-IPO Shares (1)(抜粋)

--取材協力:Alexandra Semenova.

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