今回の中国本土での発売は、アップルが最新のiPhoneシリーズを国際的に展開してから1カ月後となる。世界各地の店舗では発売日に長蛇の列ができた。
中国での発売が後ずれしたのは、iPhone Airは通信にeSIM(端末に内蔵された電子式のSIMカード)のみを使用する設計で、現地の通信事業者によるeSIMへの対応が遅れていたためだ。
中国での価格は7999元(約17万円)。発売初日は関心を集めたものの、大きな混雑は見られなかった。
北京の三里屯にあるアップルストアの来店客の多くはiPhone 17 Proモデルを受け取りに訪れた人だった。iPhone Airは発売初日から当日注文・受け取りが可能となっている。
上海ではiPhone Airの購入希望者の列はなく、その場で即購入できる状態だった。ブルームバーグ・ニュースの取材によると、幾つかのカラーは午前中に売り切れた。
顧客の間では、iPhone Airの薄さや新色に興味を示す声が多かったものの、実際に購入するよりも試してみる程度の人が目立った。
iPhone 17、17 Pro、17 Pro Maxは中国市場でも引き続き、従来型の物理SIMカードに対応しているが、厚さ5.6ミリのスリムなiPhone Airでは、そのスペースをより大きなバッテリーに充てる設計を採用した。
中国の主要通信事業者は現在、eSIMをサポートしており、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は先週の訪中時に、iPhone Airの中国発売を発表した。
アップルは中国市場で回復基調にある。直近の決算発表で、大中華圏での売上高が長期にわたる減収から増加に転じたと報告した。iPhone Airは新たな勢いをもたらす可能性がある。
アップルの新型iPhoneの需要は堅調で、iPhone 17 Proのデザイン刷新、Airの新しい形状・デザインコンセプト、そして近年で最も完成度の高い標準モデルが追い風となっている。
原題:Apple’s iPhone Air Receives Muted Reception in China Debut(抜粋)
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