(ブルームバーグ):高級ブランドを展開するフランスのエルメス・インターナショナルが22日発表した7-9月(第3四半期)決算は、主力の皮革製品部門の売上高伸び率が前年同月比13.3%増と、アナリスト予想の13.8%をわずかに下回った。
決算発表を受け、エルメス株は22日のパリ市場で一時5%下落した。高級品業界の中で急成長している同社のパフォーマンスが期待されていただけに、市場には失望感が広がっている。
RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ピラル・ダダニア氏は、リポートで「主力の皮革製品部門のわずかな未達と、最近の高級品業界に対する楽観的な見方を反映した買い手の高い期待を考慮すると、株価は短期的に圧迫される可能性がある」と述べた。
競合他社であるLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが先週、満足させる堅調な売上高を発表し株価を押し上げたことで、高級品業界への期待は高まっていた。
エルメスは、高級品需要の世界的な減速や関税への懸念にもかかわらず、売上を伸ばしてきた最も堅調な高級ブランドの一つだ。需要を喚起するため商品を希少に保つビジネスモデルが功を奏し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)明けの需要急増の後、富裕層顧客が支出を控えるようになってからも、その影響を免れている。
エルメスの第3四半期決算は、為替レート一定ベースで売上高が前年同月比9.6%増加し、アナリスト予想の9.3%増を上回った。特に米国で、富裕層顧客の人気が高かった。米州地域の売上高は14.1%増と予想を上回り、トランプ米政権による関税が消費に影響するとの懸念を後退させた。
エルメスのエリック・デュハルグエ最高財務責任者(CFO)は、メディアとの電話記者会見で、10-12月期も今のところ、トレンドの変化は見られないと述べた。同氏は「米国では全カテゴリーで堅調な成長が見られ、店舗への来店者数も着実に増加している」と説明した。関税の影響を相殺するため、5月に一度価格を引き上げたが、その後米国で再値上げはしていないという。
原題:Hermes Falls as Birkin Maker’s Leather Goods Growth Disappoints(抜粋)
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