動画配信サービスの米Netflixの7-9月(第3四半期)決算では、ブラジル当局との税務を巡る問題の影響で利益が押し下げられた。この影響を除けば、市場予想に沿った内容だったと同社は説明した。

21日の発表によると、7-9月期の営業利益は32億4000万ドル(約4920億円)と、自社見通しおよびアナリスト予想を約4億ドル下回った。10-12月(第4四半期)については市場予想とほぼ一致する見通しを示した。

Netflixは、2022年にさかのぼるブラジル当局との税務問題を決着させるため、約6億1900万ドルを支払った。同社は過去の決算報告でこの件の潜在的リスクを示していたが、業績見通しには織り込んでいなかった。今後の支払い額はより少額になる。

同社は「この件が将来の業績に重大な影響を及ぼすとは考えていない」と説明した。

21日の米株式市場引け後の時間外取引でNetflix株は一時7.5%安を付けた。株価は6月30日に上場来高値を更新した後、ここ数カ月は下落基調が続いている。

決算発表前の時点では、7-9月期は好調な業績が期待されていた。「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」はNetflix史上最も視聴されたオリジナル映画となり、人気ドラマ「ウェンズデー」のシーズン2も配信された。

一方で、投資家の間では、利用者の視聴時間が伸び悩んでいることや、人工知能(AI)による動画生成の影響を懸念する声も出ている。ストリーミング分野の成長はYouTubeやRoku(ロク)、Tubi(トゥービー)といった無料サービスがけん引している。

同社はこの日公表した株主宛ての書簡で、7-9月期の利用者の総視聴時間が過去最高を記録したと強調し、こうした懸念の解消に努めた。10-12月期にはドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」最終シーズンなど、さらに強力な番組ラインアップを予定している。

番組への投資が続く中でも、同社の7-9月期のフリーキャッシュフローは26億6000万ドルに達し、市場予想を上回った。通期見通しも約90億ドルに引き上げた。

Netflixは手元資金の一部を自社株買いや番組制作に充てるほか、企業の合併・買収(M&A)の可能性にも言及した。ブルームバーグは同社がワーナー・ブラザース・ディスカバリーの保有資産の一部買収に関心を示していると報じている。

7-9月期の売上高は前年同期比17%増の115億ドルと、市場予想と一致した。1株利益は5.87ドルと、アナリスト予想(6.94ドル)を下回った。

10-12月期については、売上高120億ドル、1株利益5.45ドルとの見通しを示した。市場予想は売上高119億ドル、1株利益5.42ドルだった。

現代:Netflix Says Brazil Tax Fight Squeezed Otherwise Solid Quarter、Netflix Says Tax Dispute Hurt Solid Quarter; Shares Tumble (1)(抜粋)

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