(ブルームバーグ):オーストラリアが米国を抜き、ニュージーランド(NZ)の輸出先2位に浮上した。トランプ米政権の関税政策や世界的な経済不透明感の高まりが、貿易の流れに影響を与えている。
NZ統計局が21日発表した2024年10月-25年9月の豪州向け輸出は過去最高の95億8000万NZドル(約8300億円)に達した。一方、同期間の対米輸出は94億8000万NZドルにとどまり、昨年4月以来初めて対豪輸出が上回った。
NZにとって最大の輸出市場は依然として中国で、9月までの1年間の輸出額は199億NZドルと全体の25%を占める。

堅調な経済を背景に米国は過去1年半ほどNZの輸出市場2位の座を維持していたが、トランプ大統領の関税政策が国内外の不確実性を高めた。
豪州は1980年代後半以降、自由貿易協定とタスマン海を挟んだ地理的近さを背景に、NZにとって長年2位の主要輸出先となっていたが、昨年その座を米国に譲っていた。
NZの統計によると、豪州向け輸出は9月までの1年間に10%増加し、対米は8.1%増えた。9月単月の対豪輸出は貴金属や原油、乳製品がけん引し、28%増の9億4800万NZドル。輸出拡大は、企業・消費者信頼感の低迷で雇用や投資が抑制されているNZ経済において、数少ない明るい材料の一つとなっている。
原題:Australia Trumps US to Become New Zealand’s No.2 Export Market(抜粋)
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