(ブルームバーグ):フィンランドのスマートリング(指輪型端末)メーカー、オーラ・ヘルスは、米アップルに続き血圧モニタリング分野への参入を目指す。
オーラ・ヘルスは20日、「Blood Pressure Profile」と称する研究を年内に開始すると発表した。高血圧の早期兆候を検知することを目的としており、実際の収縮期血圧や拡張期血圧の数値は表示しない。カフ(腕帯)を用いずにユーザーのデータを追跡し、潜在的なリスクを理解する手助けとなる情報を提供するもので、将来的に消費者向けの新機能として開発を進める計画だ。
世界保健機関(WHO)によると、世界で成人約13億人が高血圧の患者とされ、脳卒中や心筋梗塞、腎疾患などの主なリスク要因にもなっているが、生活習慣の改善や医療的介入により管理できる場合が多い。
オーラのリッキー・ブルームフィールド最高医療責任者(CMO)はインタビューで、「この研究は、米食品医薬品局(FDA)への承認申請を視野に入れた将来的機能の改良と検証に活用される」と説明。「オーラがバックグラウンドで主要な生体信号を受動的に追跡することで、高血圧の早期の兆候をいかに検出できるかを探る。深刻化する前に隠れたリスクを発見するシンプルでシームレスな方法を提供する」と述べた。
1カ月前にはアップルがスマートウオッチ「Apple Watch」向けに同様の高血圧検知システムを導入した。アップルの機能は、30日間の心拍センサーデータを分析して血管が心拍にどう反応するかを調べ、慢性的な高血圧の兆候があればユーザーに通知する仕組み。
ブルームフィールド氏は、指輪型デザインは指の動脈上に直接装着されるため、生理学的信号をより正確に取得できると指摘した。
オーラによると、研究は治験審査委員会(IRB)の承認を既に得ており、米国の被験者を対象に同社アプリ内の「オーラ・ラボ」セクションで近く開始される。将来的には欧州当局との協議も進める計画だ。
原題:Oura Ring Prepares for Apple Watch-Like Hypertension Detection(抜粋)
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