エチオピアは中国に負う債務53億8000万ドル(約8100億円)について、少なくとも一部を人民元建てローンに転換する交渉を始めた。ケニアに追随する動きで、中国が人民元の国際化を進める取り組みを後押しする。

エチオピア中央銀行のエヨブ・テカリン総裁は9月に北京を訪問した際、中国輸出入銀行および中国人民銀行(中央銀行)と通貨スワップの可能性について協議を開始した。国際通貨基金(IMF)の年次総会に出席するためワシントン入りしていた同総裁が17日のインタビューで明らかにした。

「中国は現在、われわれにとって非常に重要なパートナーであり、貿易や投資の規模が拡大」しており、「従って通貨スワップを整備するのは理にかなっているし、債務を人民元建てに転換することも同様だ。すでに正式に要請しており、現在作業を進めている」と述べた。

人民銀は一般的な業務時間外のコメント要請に対してすぐに回答しなかった。

ロンドン時間20日午後4時49分(日本時間21日午前0時49分)時点で、エチオピアのドル建て国債(10億ドル)は4.3%上昇し、額面1ドルに対し99.69セント。約2年ぶりの大きな値上がりで、2021年1月以来の高値となった。

エチオピアの今回の提案は、資金調達コストを抑えるために人民元を利用する国が増える流れを浮き彫りにしている。

スリランカやハンガリー、ケニアなども同様の動きを見せている。ドル建て債での資金調達が依然として主流ではあるものの、中国が自国通貨の国際的な利用拡大を目指す中で、人民元の国際商取引における役割は高まっている。

加えて、米国の不安定な通商政策を背景に、投資家の間ではドル資産への信頼が揺らぎつつある。

 

原題:Ethiopia in Talks With China to Convert Dollar Loans to Yuan (2)(抜粋)

--取材協力:Yujing Liu.

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