(ブルームバーグ):中国経済は7-9月(第3四半期)に2四半期連続で減速し、1年ぶりの低成長となった。輸出の好調が支えた一方、消費者や企業の支出抑制が成長の重しとなった。
国家統計局が20日発表した7-9月の国内総生産(GDP)は前年同期比4.8%増と、4-6月(第2四半期)の5.2%増から伸びが鈍化した。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査の中央値予想は4.7%増だった。
9月の小売売上高は前年同月比3%増と、昨年11月以来で最も低い伸びとなった。1-9月の固定資産投資は前年同期比0.5%減少し、2020年以来初のマイナス。
こうした幅広い減速傾向の中で、工業生産が予想外に堅調だったことが下支えとなった。9月の工業生産は前年同月比6.5%増と、すべてのエコノミスト予想を上回った。
UBSグループの張寧シニアエコノミスト(中国担当)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「中国経済の成長は鈍化しているが、その動きには大きなばらつきがある」と指摘し、「輸出と工業生産は予想を上回ったが、小売売上高や投資といった国内経済の指標は軒並み減速している」と述べた。
この統計発表後も、中国株は上昇基調を維持した。本土株の指標CSI300指数は一時1.3%高となり、トランプ米大統領が中国との緊張緩和を示唆したことで、地域全体にリスク志向のムードが広がった。
中国は世界的な製品需要を背景にした過去最高水準の輸出に支えられ、米国との新たな貿易摩擦が続く中でも、成長率を政府目標の約5%近辺に維持している。それでも世界2位の経済大国には依然として脆弱(ぜいじゃく)さが残っており、デフレや過剰競争が企業収益を圧迫し、個人消費の回復は力強さを欠いている。
原題:China Says Growth Target in Reach Despite Rare Investment Drop(抜粋)
(市場の反応などを追加して更新します)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.