通販大手の「アスクル」はサイバー攻撃を受け、商品の受注などを停止したと発表しました。配送の一部を委託している無印良品などもネット販売を停止したと明らかにしています。

企業を狙ったサイバー攻撃がまた、猛威を振るいました。

次々とトラックに積み込まれる段ボール箱。これは事務用品などを取り扱う通販大手「アスクル」の倉庫です。

「アスクル」は、傘下に大規模な物流センターを持っていて、法人向けだけでなく、個人向けの通販「ロハコ」なども展開しています。

この「アスクル」を襲ったのが身代金要求型のコンピューターウイルス=ランサムウェア。ウイルス感染でシステム障害が発生し、商品の受注と出荷を停止する事態となっています。

個人情報や顧客情報などが外部に流出したかどうかは現在調査中で、復旧のめどはたっていないといいます。

影響は他の会社のサービスにも。

「アスクル」の子会社に配送の一部を委託している「無印良品」や「ロフト」は、物流に障害が出たとして、ネットストアでの販売を一時停止。

神戸大学 森井昌克 名誉教授
「2~3日は調査にどうしても時間がかかるので、それ以降に復旧対策ということになると思う」

ランサムウェアによるサイバー攻撃をめぐっては、先月、アサヒグループでもビールの出荷を一時停止するなど被害が相次いでいます。

神戸大学 森井昌克 名誉教授
「一つ中小企業が攻撃されただけでサプライチェーン(供給網)が切れてしまう。そうすると(影響が)全体に及ぶということもあり得る」

一つの会社への攻撃が、複数の会社に連鎖する恐れのあるサイバー攻撃。企業規模の大小にかかわらず、すべての会社で防衛策の強化が求められます。