(ブルームバーグ):中国の半導体メーカー、中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)の7-9月(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比14倍に急増した。中国国内で人工知能(AI)開発ブームが広がるなか、米エヌビディア製品の使用制限を受けて国産半導体への置き換えが進んでいることを示す。
上海証券取引所への届け出によると、カンブリコンの7-9月の純損益は5億6700万元(約120億円)の黒字。前年同期は1億9400万元の赤字だった。
個人投資家の間で「中国版エヌビディア」とも呼ばれるカンブリコンは、先端技術をめぐる米国の対中制裁を追い風に台頭した中国ハイテク企業の一つだ。アリババグループやDeepSeek(ディープシーク)など中国のAI開発企業は、AIの学習に不可欠なエヌビディア製アクセラレーターの多くが米国の輸出規制対象となるなか、国産半導体への依存を強めている。
一方で中国当局は、米国の輸出規制に準拠しつつ中国向けに設計されたエヌビディア製のAIアクセラレーター「H20」についても、使用を控えるよう企業に促している。

カンブリコンの株価は、AIバブル懸念を背景に8月の高値からは20%余り下落したが、年初来では約2倍の水準を保っている。
同社は8月時点で、通期の売上高を50億-70億元と見込み、前年(12億元)から大幅な増加を予想している。
原題:AI Chipmaker Cambricon’s Sales Soar 14-Fold With Nvidia Shut Out(抜粋)
--取材協力:Lianting Tu、Jessica Sui、Foster Wong.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.