(ブルームバーグ):米ゼネラル・モーターズの金融子会社GMファイナンシャルは7-9月(第3四半期)に、20億ドル(約3000億円)相当の自動車ローン債権をプライベート取引で売却した。事情に詳しい関係者によると、同社がプライベート市場を活用するのはまれなケースだという。
この取引はゴールドマン・サックス・グループが手掛けた。関係者によれば、GMは信用力の高い借り手に対するローンを売却したという。関係者は非公開情報だとして匿名を条件に語った。
GMファイナンシャルとゴールドマンの広報担当者はコメントを控えた。
信用力の高い借り手へのプライベート融資債権への投資需要が高まっている。運用会社はプライベートクレジットへの投資のために数十億ドル規模の資金を投資家から集めている。
アポロ・グローバル・マネジメント(Apollo Global Management Inc.)の推計によると、高格付けの借り手向けローンへの進出で、プライベートクレジット業界は最大で40兆ドル規模に成長する可能性がある。これまでは主に高リスクの借り手向けに融資を提供してきた。
ブラックストーンのクレジット・保険部門の国際責任者、ダニエル・ライター氏は最近のブルームバーグのインタビューで「投資適格のプライベートクレジットは、今全ての投資家が関心を寄せている新たなテーマだ」と述べた。特に保険会社からの関心が高いと付け加えた。
GMファイナンシャルは公募社債市場で資金を調達することが多く、自動車ローン債権を裏付けとする資産担保証券(ABS)も定期的に発行している。市場関係者によると、同社のような大手が大規模なローンプールを投資家に直接売却するのは異例だという。
直接売却は公募証券を使うよりも資金調達のスピードが速く、格付け会社に対し調達手段の多様性を示すことで信用力の強さをアピールする効果もある。
一方、近年急速に拡大しているプライベートクレジット市場の不透明な構造に潜むリスクを懸念する声もある。
原題:GM Privately Sold $2 Billion of Auto Loans With Goldman’s Help(抜粋)
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