(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は15日、人工知能(AI)がインフレを引き起こすことなく生活水準を押し上げるような持続的な生産性向上をもたらすことに期待していると明らかにした。
ウォラー氏は「DCフィンテックウイーク」での講演原稿で、AIが米経済を押し上げることについて「疑いの余地はない」と述べた上で、政策当局にとって重要な課題は、AIが生産性の再加速に寄与するかどうかだと指摘した。
同氏は「2%を上回る持続的な生産性の伸びが実現すれば、インフレ圧力を伴わずに実質所得と生活水準の上昇を支える傾向がある」と説明。「金融政策の当局者として、AIがそれを実現してくれることを期待している」と語った。
エコノミストの間では、AIが雇用に与える影響や、インフレを引き起こさない形で成長を促す可能性について意見が分かれている。
ウォラー氏は2020年、当時のトランプ政権1期目にFRB理事に任命され、現在はパウエルFRB議長の任期が来年5月に満了するの控え、後任候補の1人として有力視されている。
ウォラー氏は政策当局者にとっての課題は、技術革新の過程で労働者と企業を支え、生産性向上による効率化の成果を実質賃金の上昇と持続的な成長につなげることだとし、「政策当局者として、短期的なコストを上回る長期的な利益が得られると信じて、混乱を受け入れなければならない」との考えを示した。
原題:Fed’s Waller Says No Doubt AI Will Boost GDP, National Income(抜粋)
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