(ブルームバーグ):ヘッジファンド運用のシタデルを創業した資産家ケン・グリフィン氏は15日、生成人工知能(AI)は市場を上回るリターンを生み出す助けになっておらず、現時点ではヘッジファンド業界に有意な影響を及ぼしていないとの見方を示した。
同氏はニューヨークで開催された会議で、「生成AIには生産性を高める明確な方法があるが、アルファ(超過収益)を見つけ出すには力不足だ」と語った。
この会議「JPモルガン・ロビンフッド・インベスターズ・カンファレンス」はメディアに非公開だとして匿名を条件に語った参加者によると、グリフィン氏が生成AIはシタデルで行われている本質的なリサーチに取って代わるものではないと述べたという。
グリフィン氏はこれまでもAIに懐疑的な発言をしており、投資分析においては限られたツールに過ぎないと指摘してきたほか、近い将来にテクノロジーがヒトの仕事を奪うという見方からも距離を置いている。
グリフィン氏は会議で、生成AIが広範な変化を生み出す可能性は低いと指摘。影響はあるものの、劇的なものではなく、業界によって影響度に偏りが出ると語ったという。
また、AIは米企業がテクノロジー投資を拡大し、最高技術責任者(CTO)の地位を高める原動力になっているとし、この動きによって、過去25年間に本来あったはずのビジネス上の進歩がようやく実現しつつあると述べた。
原題:Griffin Says GenAI Fails to Help Hedge Funds Beat Markets (1)(抜粋)
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