15日のアジア時間の取引で、金相場が最高値を更新した。米中関係の緊張の高まりに加え、米金融当局が年内にさらに2回の利下げを実施するとの市場の期待が後押しした。

金相場は1オンス=4185ドル超に上昇。銀のスポット価格も上昇している。銀は前日に一時1オンス=53.54ドル超と過去最高値を更新した後、歴史的な需給逼迫(ひっぱく)が緩和し始めた兆しを背景に急落していた。

米国債利回りは14日、数週間ぶりの水準に低下。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は同日、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.25ポイントの追加利下げを実施する方向にあると示唆した。借り入れコストの低下は通常、利息を生まない貴金属の投資妙味を高める。

一方で市場ではリスク回避ムードが広がり、安全資産としての金の魅力も高まった。トランプ米大統領は14日、中国との食用油貿易を停止する可能性があると述べ、米中の貿易関係に新たな緊張を生じさせた。

金スポット価格は、シンガポール時間午前9時16分(日本時間同10時16分)時点で0.9%高の4180.83ドルで取引された。

原題:Gold Rises to Record on Fed Rate-Cut Signal, US-China Tensions(抜粋)

--取材協力:Yihui Xie.

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