13日の米株式市場で、代替肉製品を手掛ける米ビヨンド・ミートの株価が急落し、2019年の上場以降で最大の下げとなった。同社はこの日、ほぼ全ての社債保有者が債務スワップを受け入れたと発表。株主価値の大幅な希薄化が見込まれることが嫌気された。

株価は48%余り下落し、1.03ドルで引けた。10日時点で今年に入りすでに47%下げていたが、この日の急落で年初来下落率は70%を超えた。

債務スワップの結果に基づき、同社は新たに3億1600万株を発行する見通しを明らかにした。債務削減に向けたこの計画は9月に公表され、株価下落の一因となっていた。届け出によると、全ての社債保有者が社債を株式に転換した場合、発行済み株式の88%を占めることになる。

 

ブルームバーグ・インテリジェンスのジェニファー・バータシャス氏は債務スワップについて、負債圧縮と返済期限の延長により一息つけるものの、株主価値希薄化の影響は「かなり大きい」と指摘した。

ビヨンド・ミート株は6年前の上場直後に急伸し、時価総額は一時140億ドル(約2兆1300億円)を突破。新型コロナウイルス禍の時期には健康志向の高まりを背景に株高局面が続いた。

しかし、その後は代替肉の行き過ぎた加工や高コスト、味が劣るといった理由で消費者離れが進んだ。現在の時価総額は8000万ドル弱にまで落ち込んでいる。

直近の四半期売上高は7500万ドルと、前年同期比で約20%減少。最大市場である米国における代替肉の需要後退が響いた。

バータシャス氏は、代替肉需要が低迷し販売が縮小する中、「株式希薄化の負の影響を相殺できるほど事業の勢いに期待を持てる材料はほとんどない」と述べた。

ブルームバーグの集計データによると、ビヨンド・ミート株の投資判断は「買い」がゼロ、「ホールド」が5社、「売り」が6社となっている。

原題:Beyond Meat Plunges After Debt Swap Dilutes Shareholders (2)(抜粋)

--取材協力:Charles Gorrivan.

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