米国でトラクターの販売台数が小幅ながらも1年強ぶりに増加したことを受け、長年低迷してきた農業機械業界に回復の兆しが見え始めたとの期待が高まっている。

米国の9月のトラクター販売台数は、前年同月比4.1%増と1年1カ月ぶりにプラスとなった。業界団体である米国機械製造業協会(AEM)のデータで分かった。

一方、農作物価格の低迷により農家の設備投資は減少している。トランプ米大統領の関税で大豆や綿花、ソルガムなど米国産農産物に対する中国からの需要は減少した。また、鉄鋼やアルミニウムへの関税引き上げで、機械の製造コストは上昇している。

こうした中、AEMのカート・ブレイズ上級副社長は13日の発表資料で「米国市場で販売台数の減少が続いた後に小幅に増加したのは心強い。市場には依然として不確実性とボラティリティーがあるものの、収穫期に入るにつれて前向きな傾向が続くと期待している」とコメントした。

米農業機械最大手のディアを含めた各社は2025年がサイクルの底となり、26年からは回復が始まるという見方を示してきた。

ただし、AEMはトラクターの販売台数が増加したものの、収穫に使用されるコンバインの販売は9月に約22%減少したことも明かしている。

原題:First Rise in US Tractor Sales in Year Lifts Farm Sector Hopes(抜粋)

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