(ブルームバーグ):米セントルイス連銀のムサレム総裁は先月の利下げについて、労働市場の悪化に備える保険として支持したと述べた。一方、高止まりするインフレには引き続き警戒する必要があるとの認識を示した。
ムサレム氏は10日、ミズーリ州スプリングフィールドでのイベントで「今後については、労働市場の悪化に対する一段の保険を提供するため、追加利下げの可能性に対して柔軟な姿勢で臨んでいる」と発言。「ただ、金融政策が過度に緩和的になる前に、緩和の余地は限られているため、慎重に進む必要があると考えている」と述べた。

今年の雇用急減速は労働市場への懸念を強め、金融当局が先月、政策金利を0.25ポイント引き下げる根拠となった。ただ、ムサレム氏を含む一部の政策担当者は、インフレへの警戒を緩めるべきではないと主張している。
先月公表された連邦公開市場委員会(FOMC)当局者の予測では、中央値ベースで年内に0.25ポイントの利下げがさらに2回実施される見通しとなっている。
ムサレム氏は雇用市場が秩序立って緩やかに減速していくとの見通しを示す一方、雇用がより急速に悪化する可能性も否定できないと述べた。インフレについては、現在のインフレの約10%は関税によるものであり、その影響は来年後半までに経済全体に波及するとの見通しを示した。
FOMCの次回の会合は10月28-29日に予定されている。
原題:Fed’s Musalem Says Open to Further Cuts If Labor Market Weakens(抜粋)
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