(ブルームバーグ):スイスの賭博規制当局、ゲスパ(gespa)は国際サッカー連盟(FIFA)によるブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用したトークンの販売について予備的調査を開始した。このトークンは2026年に開催されるサッカーワールドカップ(W杯)の観戦チケット購入を確実にする仕組みとなっている。
FIFAは昨年、観戦チケットの「購入権」ともいえるトークンの販売を開始した。トークン保有者は試合の観戦チケットを入手する権利が得られる。こうしたトークンの中には、特定のチームが決勝戦に進出した場合にその観戦チケットを確実に購入できるようにするものもあり、イングランド代表の決勝進出を想定したトークンは999ドル(約15万円)で販売されていた。現時点ではすでに売り切れているが、流通市場での売買は可能だ。日本代表の決勝進出を見込むトークンは599ドルで販売されている。
イングランド代表が決勝に進出すれば、上記のトークン保有者は決勝戦の観戦チケットを購入することができる。ただし、現時点ではチケットが実際にいくらになるのは不明。FIFAが先週立ち上げたチケット再販プラットフォームでは決勝戦の観戦チケットの一部が最大3万ドルで取引されている。
こうした状況を受け、ゲスパは、FIFAが観戦チケットを獲得できる機会を販売しているのか、それとも賭博により近い仕組みを提供しているのかを調査している。ゲスパのディレクター、マヌエル・リヒャルト氏はブルームバーグに対し、FIFAがスイスの規則を順守しているかについて確認する必要があると指摘。初期段階の評価に基づけば、トークンの販売が賭博法に関係する可能性を排除できないとした。
ブルームバーグからの問い合わせ以前に、FIFAのプラットフォームに関する報告はゲスパに寄せられていなかったという。FIFAの広報担当者はコメントを控えている。FIFAが不正行為で非難されている事実はない。
ゲスパは宝くじやスポーツ賭博を監督している。
原題:FIFA’s Blockchain-Based Ticketing System Faces Preliminary Probe(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.