ヘッジファンド運営会社シタデルの創業者で、資産家のケネス・グリフィン氏は、投資家が金をドルより安全な資産と認識し始めていると語った。こうした動きは同氏を「実に不安にさせる」という。

シタデルのCEOを務めるグリフィン氏はブルームバーグとのインタビューで、「ドル離れに伴う資産インフレが顕著に見られる。米国のソブリンリスクに対し、ポートフォリオの実質的な脱ドル化、ないしリスク回避の手段を人々は探っている」と発言した。

米国では予算を巡る共和、民主両党の対立が打開できず、連邦政府機関の閉鎖が続く。こうした状況や米追加利下げの見通しを受け、金相場は6日に過去最高値を更新した。「ディベースメント取引(通貨価値切り下げトレード)」を通じて、金と銀、暗号資産(仮想通貨)ビットコインへの投資が今年に入り拡大している。

ディベースメント取引とは、法定通貨の価値下落に対するヘッジ手段として、金やビットコインなどの資産に資金を移す投資戦略を指す。

シタデルのCEOケネス・グリフィン氏は、投資家が金をドルより安全な資産と認識し始めていると語った

米国ではリセッション(景気後退)局面で通常行われるような財政・金融刺激策が実行されており、それが市場の動きをあおっているとグリフィン氏は述べ、「米経済は今まさに糖分の過剰摂取で、ちょっとした興奮状態にある」と指摘した。

原題:Citadel’s Griffin Calls Rush to Gold as Safer Asset ‘Concerning’(抜粋)

(グリフィン氏の発言内容を追加して更新します)

--取材協力:Francine Lacqua.

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