あすから10月です。ペットボトル飲料の値上げを始め、3000品目を超える“値上げラッシュ”が到来する一方で、値下げに踏み切る企業の動きも見られます。
飲料の自販機を設置している都内の酒店。
佐々木酒店 商品仕入部 檜山幸司さん
「ここまでとうとう来たか」
この道20年の飲料のプロも戸惑う“初の価格”に直面していました。
佐々木酒店 商品仕入部 檜山幸司さん
「(自販機での価格が)200円という大台に乗ってしまったので、正直、昭和の人間からすると高い」
あすからメーカーがこぞって踏み切るペットボトル飲料の値上げ。メーカーの希望小売価格は180円から、200円になります。値上げの動きが本格化する2022年9月までは1本あたり140円が主流でしたが、この3年で60円の値上がりに。
この店では今回の値上げを受け、いまから最大20円値上げして、150円で販売したい考えです。
30代
「僕らが子どもの頃と比べたら、1.5~2倍になっている」
こうした10月値上げの食品は3024品目と、今年4月以来、半年ぶりに“値上げラッシュ”が到来。加えて、あすからは▼電気代は467円から536円、▼都市ガス代は172円から222円値上がりします。
一方、値上げの波をチャンスと捉える企業も。
イオンはあすから、プライベートブランドの食品や日用品、60品目を値下げします。
▼3個入りのパックご飯は税込みで429円から、408円に、▼ロースハムは321円から、300円に価格を引き下げます。
イオントップバリュ 土谷美津子 社長
「大手メーカーの値上げが続いた場合、プライベートブランドへの切り替えが増える。圧倒的に財布の紐はかたい」
調査会社も、「根強い節約志向は当面続く」と分析します。
帝国データバンク 飯島大介さん
「値上げの常態化が来年も続いていくのではないか。賃金が多少上昇しても、生活費の上昇でペイされてしまう」
今年1年を通じて、食品の値上げは2年ぶりに2万品目を超えると見込まれ、賃金の伸びが物価の上昇に追いつかないなか、厳しいやりくりが続きます。

【世界で沈む日本が「稼ぐ小国」から学ぶ3つの戦略】“国民1人の稼ぐ力”日本は38位/世界TOPは人口1000万人未満/3位=スイスは「クオリティ戦略」/4位=シンガポールはインフラ・教育に多額の投資