欧州連合(EU)の非公式首脳会議が10月1日にコペンハーゲンで開かれるのを前に、デンマークはドローン防衛を強化している。同国では9月30日にも、新たなドローン侵入の疑いを受けて一時的に空域が閉鎖され、安全保障への懸念が高まっている。

デンマークのオールボー空港と空軍基地上空で30日朝、ドローン活動の可能性があったとして空域が8分間閉鎖された。先週からほぼ連日のように疑わしい目撃情報が続いていることを踏まえ、当局は警戒を強めている。

警戒態勢強化の一環として、ウクライナ軍は29日夜、ドローン戦闘の経験を持つウクライナ軍兵士がデンマークに到着したとテレグラムで発表した。兵士らはデンマーク兵と共に1週間の対ドローン訓練を行う予定という。一方で、デンマークのTV2は、複数の予備役部隊の兵士が、極秘の召集命令に基づき緊急招集されたと報じた。

デンマークでは22日以降、ドローンによる一連の事案が民間・軍事施設を混乱させている。大型の業務用ドローンが目撃され、コペンハーゲン国際空港を含む複数の空港が一時的に閉鎖に追い込まれたこともあった。デンマーク放送協会(DR)は警察の話として、30日朝にオールボー空港が閉鎖されたのも、レーダーに捉えられたドローン活動の可能性によるものだと報じた。

隣国ノルウェーでも、地元紙VGが、地元警察の話として、北海にあるエクイノールのスレイプネル・ガス田で29日にドローンが目撃された可能性があり、捜査が行われていると報じた。

デンマークへのドローン侵入の発信源はまだ特定されていないが、フレデリクセン首相は、欧州を不安定化させようとするロシアの取り組みと関連付けている。ロシア側は否定している。

フレデリクセン氏は29日、フェイスブックに「プーチン大統領は我々を分断しようとしている」と投稿した。

原題:Denmark Ramps Up Defenses as New Drone Suspicion Fuels Fears(抜粋)

--取材協力:Stephen Treloar、Daryna Krasnolutska、Julia Janicki.

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