(ブルームバーグ):米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は29日、インフレリスクが後退する一方で、雇用を巡るリスクが高まっているとの見解を示した。
ウィリアムズ氏はニューヨーク州ロチェスターでの質疑応答で「インフレが大きなリスクだった状況から、雇用とインフレのリスクが拮抗(きっこう)する状況へと変化しており、引き締めの程度をやや緩めるために金利を若干引き下げたのは理にかなっていた」発言した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策担当者は今月、今年初の利下げに踏み切ったが、今後の政策の道筋については見解が分かれている。労働市場減速の兆候を踏まえ、追加利下げやより大幅な利下げを求める声がある一方、トランプ大統領の関税政策がインフレをあおる懸念が払拭(ふっしょく)できないとして、物価圧力を引き続き警戒する当局者もいる。インフレ率は数年にわたり物価目標の2%を上回る水準にとどまっている。
ウィリアムズ総裁は、10月28、29日に開かれる次回FOMC会合で追加利下げを支持するかどうか示唆しなかった。関税の影響については、一部の輸入品価格を押し上げているものの、「比較的軽微」にとどまっていると指摘。「関税の影響は大方の予想より小さく、インフレ圧力が高まる兆しはなさそうだ」と述べた。
さらに連邦準備制度の政策スタンスは引き続き景気抑制的であり、景気を刺激も抑制もしない中立金利は実質ベースで0.75%前後とみていると語った。
原題:Fed’s Williams Says Inflation Risks Lower as Tariff Effect Muted(抜粋)
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