米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン副議長(銀行監督担当)は26日、FRBはバランスシートの最小化を目指すべきだと述べ、金融政策を運用する体制の抜本的な見直しを呼び掛けた。

「長期的に好ましいのは、準備預金残高を十分な水準ではなく、むしろ低い水準に傾け、バランスシートを可能な限り小さくすることだ」とボウマン氏はニューヨーク・フォーキャスターズ・クラブで講演した。発言内容は事前原稿に基づく。

FRBはかつてバランスシートを高い頻度で管理していたが、その方が市場のストレスや機能の問題について適切に示唆できると同氏は主張した。

ボウマンFRB副議長

「マネーマーケットにある程度のボラティリティーを持たせることで、市場の均衡点を理解しやすくなる」と述べた。

FRBは金融危機時に大規模な景気刺激策を講じたほか、銀行の自己資本規制を強化。それによって市場に流動性があふれたことを受け、後に潤沢な準備体制と呼ばれる金利コントロールの枠組みに移行した。それ以前のFRBは日々の市場操作で米国債を売買し、ベンチマーク金利を目標水準に誘導していた。

ボウマン副議長の名前は、来年5月に任期が切れるパウエル議長の後任候補としても挙がっている。ボウマン氏はまた、FRBバランスシートは米国債だけで構成することが望ましいとも指摘。年限別の構成比率は市場全体と同じにせず、短期物にやや集中させることで、FRBはより柔軟に行動できると提案した。

住宅ローン担保証券(MBS)については、積極的な売却をFRBは検討するべきだとも述べた。

「MBSのランオフ(償還に伴う保有証券減少)に頼っていては、信頼できる時間枠内に米国債だけで構成するポートフォリオに戻れないだろう」と話した。

FRBは新型コロナ禍への対応で大量の米国債とMBSを購入したため、バランスシートは一時9兆ドル(約1345兆円)近くに膨張した。その後は6兆6000億ドルに縮小したが、FRBは数カ月前からバランスシート縮小ペースを落としている。金融システムから流動性を過剰に吸収すれば、市場にストレスを引き起こしかねないとの懸念が背景にある。

原題:Bowman Says Fed Should Move to Smallest Possible Balance Sheet(抜粋)

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