米リッチモンド連銀のバーキン総裁は26日、失業率とインフレがいずれも米連邦準備制度理事会(FRB)の目標から離れているものの、双方がさらに悪化するリスクは限定的との見方を示した。

「われわれは着陸に向けて注力しており、インフレと失業率のバランスを取ろうとしている」とブルームバーグテレビジョンのインタビューで発言。「両方とも望ましくない方向にやや動いたが、下振れリスクは限定的だ。今後のデータを見極めながら政策スタンスを調整していく必要がある」と語った。

連邦公開市場委員会(FOMC)は先週、労働市場の減速懸念に対応するため、政策金利の0.25ポイント引き下げを決めた。

合わせて公表された経済見通しとその後の当局者発言からは、雇用への下振れリスクを抑えるために今後も利下げを継続すべきとの意見と、インフレ再燃への警戒を優先すべきとの見方で、内部の見解が割れていることがうかがわれる。

バーキン氏はまた、今年のより早い時期に企業の見通しを覆っていた不透明感が、足元では和らぎつつあると述べた。同氏は今年のFOMCで投票権を持たない。

その後、ブルームバーグ記者の取材に対し「消費者も企業も、通常通りに戻りつつあるように見える」と同氏は語った。

ダラス連銀のローガン総裁が政策金利のベンチマークとして1980年代以降用いてきたフェデラルファンド(FF)金利の見直しを提案したことを巡っては「同氏のこうした提案は非常に真剣に受け止めており、しっかり検討するつもりだ」と指摘。「非常に興味深く、思慮に富んだ提案だと感じた」と続けた。

この後行われたピーターソン国際経済研究所での講演では、先週の利下げによって米金融政策は景気を熱しも冷ましもしない水準に近づいたとの認識を表明。

「これにより労働市場を下支えしつつ、インフレ抑制への圧力を維持できる。経済をより安定した軌道へと導くための一助となる」と述べた。発言は講演原稿に基づく。

ブルームバーグテレビジョンに出演するバーキン氏(動画)

原題:Fed’s Barkin Says Risks to Employment, Inflation Are Limited (1)(抜粋)

(第6段落以降に情報を追加して更新します)

--取材協力:Maria Paula Mijares Torres.

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