(ブルームバーグ):中国は、債券レポ市場へのアクセスを拡大する。外国人投資家の人民元建て資産の保有増加を促す可能性がある。
中国人民銀行(中央銀行)、中国証券監督管理委員会(証監会)、国家外為管理局(SAFE)が26日行った通達によると、外国の中央銀行や政府系ファンド(SWF)、商業銀行、保険会社などの外国機関投資家、証券会社、ファンド運用者、年金基金などの長期投資家は、中国本土市場での債券レポ取引が可能になる。
香港やマカオ、台湾の機関投資家もこの対象とし、即時発効とすると、当局は発表した。
外国人投資家はこれまで、香港経由の「ボンドコネクト」を通じて限定的に本土のレポ市場に参加できたが、今回の措置は人民元を国際準備通貨として位置づけ、本土市場の流動性を高める取り組みを中国が強化することを示す。人民銀行は昨年からこうした方針を示唆していたが、実現に至った背景には、米金融当局の利下げサイクルや、トランプ大統領の関税政策を巡る不透明性もありそうだ。
新規則により、外国人投資家はレポ取引を通じ、より厚みのあるオンショア人民元の流動性にアクセスできるようになる。
中国のこれまでのレポ取引は国際的に広く行われている方法とは異なり、担保となる債券が貸し出されるのではなく口座内で凍結される仕組みだったが、新モデルでは権利関係を明確にし、デフォルトの処理も容易にして国際基準に一致させると、当局は説明。向こう12カ月は移行期間とし、現行制度の利用も可能だと付け加えた。
人民銀行の発表文によると、中国の債券市場には80カ国・地域の約1200の外国機関投資家が参入済みで、8月末時点で合計4兆元(約84兆円)の資産を保有している。

原題:China Expands Onshore Repo Access in Push to Boost Yuan Assets(抜粋)
--取材協力:Tian Chen、Shulun Huang.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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