(ブルームバーグ):トランプ米大統領は国連総会で演説し、国連を「空虚な言葉」ばかりだと強く非難した。さらに気候変動対策を「信用詐欺」、国境開放は国の破壊を招くと述べるなど、不平を並べ立てた。
団結を呼び掛ける声を無視し、トランプ氏は演説の冒頭から自身の外交努力を国連はあまり支援してこなかったと不満を吐露。メラニア夫人が乗った直後に国連のエスカレーターが故障し、自分の演説用プロンプターも壊れたと責め立て、20年前に国連本部の改修計画に入札したものの却下された個人的な恨みも持ち出した。
「自分は7つの戦争を終わらせ、それぞれの国の指導者と交渉したが、合意をまとめるため支援したいとの電話が国連からかかってきたことは一度もなかった。国連から受け取ったのは2つだけ、壊れたエスカレーターと壊れたプロンプターだ。どうもありがとう」と語った。

トランプ氏は演説で自画自賛を繰り返し、他国を名指しで批判しないという国連の不文律に再三違反しつつ、とりとめもなく約1時間続いた。この戦闘的なスタイルは米国人にはおなじみだが、外国首脳の前でも変わらなかった。
英国とドイツはグリーンエネルギー政策で批判し、ギリシャとスイスは移民を受け入れているとしてやり玉に挙げた。ブラジルは検閲と弾圧を行っていると断じ、「こうした国々は地獄に向かっている」と話した。
米国の移民取り締まりについては人道的な取り組みだと主張し、米国入国を目指す人々の暴力や死を防いでいるからだと述べた。さらに自らの選挙運動で販売し、「トランプは全てにおいて正しい」と書かれた帽子を宣伝。
「誇張して言っているわけではないが、これは真実だ。自分は全てにおいて正しかった」と語った。
原題:Trump Blasts UN Over Immigration, Climate in Combative Speech(抜粋)
--取材協力:Magdalena Del Valle.
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