アラビカ種コーヒー先物がニューヨーク市場でほぼ1カ月ぶりの安値を付けた。米紙ワシントン・ポストは、米議会で輸入コーヒー製品を関税の対象から除外する法案が提出される見通しだと報じた。

超党派の同法案は、トランプ大統領就任以降に課された関税からコーヒー製品を除外するという内容だ。同紙は草案を引用して伝えた。早ければ19日にも提出される可能性があるという。

報道によれば、焙煎コーヒー豆やカフェイン抜きコーヒーに加え、コーヒーの果皮や殻などコーヒーを含む製品も関税除外の対象に含まれる。法案は下院と上院を通過しても、成立にはトランプ大統領の署名が必要になる。

スペシャルティ向けとして好まれるアラビカ種はニューヨーク市場で一時5.9%安。インスタントコーヒーに最も多く使われるロブスタ種もロンドンで下落した。

コーヒー価格はこのところ大きく振れる展開が続き、アラビカ種は今週に入って過去最高値に迫る場面もあった。供給不安が一因で、世界最大のコーヒー生産国ブラジルからの輸入に対するトランプ大統領の関税が特に影響している。この関税が先月に発効して以降、米国の買い手の間ではブラジルからの新規購入契約を控える動きが広がっていると、ブルームバーグはこれまでに伝えていた。

アラビカ種コーヒー先物価格

ラボバンクのアナリスト、オラン・ファンドート氏は米議会での今回の動きについて、正式な関税除外ではないものの、現在の貿易混乱が緩和に向かう可能性を示唆していると指摘。正常な流通が再開すれば、ブラジルの生産者が在庫を売却し、市場の逼迫(ひっぱく)が和らいで価格下落につながる可能性があると述べた。

原題:Coffee Slides on Report US Lawmakers to Seek Tariff Exemption(抜粋)

--取材協力:Megan Durisin Albery.

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