欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのミュラー・エストニア中銀総裁は19日、ECBはやや緩和的な金融政策を運営しており、現時点でこれ以上利下げする理由はないと述べた。欧州連合(EU)財務相・金融担当相理事会のため訪れたコペンハーゲンでのインタビューで発言した。

ミュラー氏によると、輸出企業が米国との複雑な貿易関係に対応する一方で、域内需要の回復が成長を後押しし、経済は恩恵を受ける見通しだ。また、インフレ率はおおむねECBの目標に沿った水準となっている。

ミュラー氏は「当面の間、金利が成長をやや後押しし、インフレがわれわれの望む水準にある中で、これ以上の対応は必要ないと思う。今後しばらくの成長は、国内需要主導になるだろう」と語った。

ECBは11日の政策委員会会合で、7月に続き利下げを見送り、中銀預金金利を2%に据え置いた。トレーダー、エコノミストは追加の措置は見込んでおらず、ラガルド総裁も、ECBはインフレ目標2%の達成に向けて「良い状況にある」と述べ、市場の利下げ期待を抑えている。

ECBの最新の経済予測では、2027年の消費者物価上昇率は1.9%、同年の経済成長率は1.3%に改善すると見込まれている。当局者らは、米国の関税引き上げや製造業需要の弱さ、消費よりも貯蓄に傾きがちな家計といった課題が残る中でも、先行きに対するリスクは「よりバランスが取れている」としている。

原題:ECB Rates Mildly Supportive With No Need for Cut, Muller Says(抜粋)

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