ベッセント米財務長官は、ドルに対する中国人民元の今年の動きについて、問題はないとの認識を示唆した。一方、対ユーロでの元相場下落は欧州経済に問題を生じさせるとの見解を示した。

ベッセント氏は、中国が今年「日和見的な通貨切り下げ」を行っているかどうかを巡り、「米国に対しては行っていない」と発言。「人民元は今年に入り対ドルで強含んでいる」と述べた上で、「対ユーロでは過去最安値となっており、これは欧州にとって問題だ」と語った。

ブルームバーグの集計データによると、人民元は今年これまでに対ドルで約3%上昇。これは円や韓国ウォンの上昇幅のおよそ半分にとどまる。一方、同期間にユーロは対ドルでほぼ14%上昇した。人民元の対ドル上昇率が比較的小さいため、他の主要通貨に対しては下げており、ユーロに対しては約10%下落している。

ベッセント氏は、中国側との協議後にマドリードで応じたインタビューで、「中国の対欧州貿易は6.9%増加しているが、対米貿易は14%減少している」と指摘。「バランスが回復しつつある。米国の今年の対中貿易赤字はおそらく30%縮小するだろう」との見通しを示した。

原題:Bessent Suggests Acceptance of Yuan Exchange Rate Versus Dollar(抜粋)

--取材協力:George Lei.

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