(ブルームバーグ):世界3位の自動車メーカー、韓国の現代自動車は2025年通期の売上高見通しを引き上げる一方で、営業利益率予想を引き下げた。同社は関税回避に向け対米投資を加速している。
18日にニューヨークで開催した投資家向け説明会の前に、通期売上高予想を前年比5-6%増と、1月時点の見通しを2ポイント上方修正した。一方、通期営業利益率は6-7%と見込み、従来見通しから1ポイント引き下げた。

現代自の対米投資計画は、同社とLGエナジーソリューションが米ジョージア州で建設中の合弁電池工場に対する強制捜査を受け、米韓通商協議が行き詰まったことで複雑化している。
現代自のホセ・ムニョス最高経営責任者(CEO)は18日、ニューヨークで投資家に対し「北米での投資は場当たり的なものではなく、長期戦略の一環だ。現時点では最も収益性の高い市場であり、今後もそうであり続けるが、米国だけに依存するわけにはいかない」と語った。
その上で、米韓通商交渉が不調に終わった場合に韓国製自動車に25%の関税が課されるリスクを織り込んで2025年の利益見通しを引き下げたと説明。一方で、米金融当局の最近の利下げは米国販売の追い風になるだろうと述べた。
現代自は30年までに年間555万台販売の達成を引き続き目指している。これは25年目標をおよそ3割上回る水準。そのうち約60%をハイブリッド車、電気自動車(EV)、EVに発電用のエンジンを搭載するレンジエクステンダーEV(EREV)とする計画だ。さらに30年までに世界全体で77兆3000億ウォン(約8兆2300億円)を投資する。
販売目標達成に向け、同社はハイブリッド車を新たに4モデル投入し、「ヒョンデ」および高級車「ジェネシス」の両ブランドにおけるハイブリッド車を計18モデルに拡充する。また、中型ピックアップや小型商用車市場に参入し、27年には初のEREVを投入する計画。ジェネシスの販売は30年までに年35万台を目指す。
原題:Hyundai Cuts Profit Outlook on Spending to Skirt Tariffs (1)(抜粋)
--取材協力:Craig Trudell.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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