日本人2人を含む158人が犠牲になった韓国・ソウル梨泰院の群集事故から、きょうで1か月。夢に向かって努力する息子を失った遺族の悲しみは、癒えることはありません。
ソウル郊外にある納骨堂。
イ・ジハンさんの母
「ジハン、お母さんが来たよ」
事故で亡くなった俳優イ・ジハンさんの両親です。
イ・ジハンさんの母
「感情表現が豊かな子でした。手を繋ぎながら『僕がお母さんをどれだけ好きなのか知ってる?』と話す子でした」
イ・ジハンさんは当時、ドラマ撮影の最中。夢に向かい、大きく羽ばたく矢先に起きた事故でした。
イ・ジハンさんの母
「息子に『さようなら、愛してる』と言えず、あまりにも悔しいです。毎日毎日、悔しいと思っています」
あれから1か月。現場の通りは今…
記者
「事故が起きた坂道では、1か月たった今も犠牲者を悼むメッセージで埋め尽くされています」
人通りは、ほとんど見られませんでした。
こちらは、新たに入手した事故現場の通りに面した店の防犯カメラの映像。事故の2時間ほど前には人が流れていましたが、事故が発生した午後10時15分ごろ、坂を上る人の流れは止まり、立ち止まる人が驚く表情をしたり、何かを撮影したりする様子が確認できます。
特別捜査本部は安全対策などに不備があったとみていて、今週中にも業務上過失致死傷などの疑いで関係者の逮捕状の請求に踏み切る可能性があり、韓国メディアは、現場を管轄していた当時の警察署長らが対象になると報じています。
遺族に今求めることを聞くと…
イ・ジハンさんの母
「責任者を拘束して捜査をしなければ、証拠隠滅を防ぐことはできません」
惨事を2度と繰り返さないための具体的な対策はまだ見えていません。

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