(ブルームバーグ):ニューヨークに本社を置く運用資産110億ドル(約1兆6200億円)のキャップストーン・インベストメント・アドバイザーズは、約4年前に設置した香港拠点を閉鎖する。アジアで事業を展開するマルチストラテジー型ヘッジファンドが増加する中で、限られた人材を巡る獲得競争激化の影響を受けた。
キャップストーンが電子メールで配布した資料によると、この決定で6人が影響を受ける。同社は「地域に引き続き注力しており、長年そうしてきたように他の拠点からアジア市場での取引を継続する」と説明した。

2004年に最高経営責任者(CEO)のポール・ブリトン氏が始めたキャップストーンは、株式や債券、クレジット、通貨、商品といった幅広い資産市場でデリバティブ(金融派生商品)とボラティリティー取引に注力し、価格のゆがみによる変動から利益を狙う戦略を展開している。
11日時点で従業員数は世界10拠点で330人、運用資産は21年6月時点の88億ドルから膨らんだ。同社はそれ以上の詳細について明らかにしなかった。
今回の拠点閉鎖は、この地域への参入が遅れたヘッジファンドにとっての厳しい環境を浮き彫りにしている。
ミレニアム・マネジメントやポイント72アセット・マネジメントといった資金力が豊富で、アジアでの運営実績が15年以上ある競合との競争を強いられているほか、ダイモン・アジア・キャピタルやポリマー・キャピタル・マネジメント、アローポイント・インベストメント・パートナーズといった地元勢とも競い合う必要がある。
原題:US Hedge Fund Firm Capstone to Shutter Hong Kong Office (1)(抜粋)
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