米国の不法移民捜査で摘発・拘束された数百人の韓国人労働者がチャーター機で12日、韓国に戻った。先週起きたこの問題は韓国で対米投資に対する不安を招いており、米韓の同盟関係にも影を落としている。

大韓航空のチャーター機には330人が搭乗。そのうち316人が韓国人だった。同機が仁川国際空港に到着すると、不安な面持ちで待ち続けた家族らから熱烈な歓迎を受けた。

到着ロビーは熱気に包まれ、カメラマンたちが肩を寄せ合い、出口にレンズを向けていた。外には10台を超えるバスが整然と待機し、出迎えの人々は歓迎の横断幕を掲げていた。群衆の中には父親を待つ生後6カ月の乳児もおり、機内には妊娠中の女性もいたと地元メディアは伝えている。

帰国した韓国人労働者ら(9月12日)

米ジョージア州で建設中の現代自動車とLGエナジーソリューションのバッテリー工場に対する前例のない強制捜査は、韓国社会を揺るがせた。

拘束された労働者の映像が広く出回り、国民の怒りを高め、就任間もない李在明大統領の政権運営への影響は必至だ。現代自動車のホセ・ムニョス最高経営責任者(CEO)は11日のインタビューで、工場建設が数カ月遅れる見通しを示し、混乱が業界全体に広がっていると語った。

米移民当局による4日の摘発は、李大統領とトランプ米大統領が経済・安全保障面での結び付きをあらためて確認する首脳会談をワシントンで行ってからわずか2週間後のことだった。

李大統領は11日、この問題が韓国企業の対米直接投資に大きな影響を及ぼし得ると述べ、警戒感が広がっている。

原題:South Koreans Seized in ICE Raid Return Home to Rousing Welcome(抜粋)

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