米アップルのスマートフォン「iPhone」シリーズはここ数年、小幅な改良にとどまっていたが、今回の新シリーズ発表で久々に興奮が戻った。

9日に発表された新モデルは、基本モデルの「iPhone 17」、超薄型の「Air」、上位機種の「17 Pro」、さらに大型の「17 Pro Max」の4機種。いずれも最新の自社設計チップを搭載し、カメラが改良され、ディスプレーも強化された。外観が大きく変わるまで買い替えを先送りしてきた消費者にとって、価格がほぼ据え置かれた今年は好機となるかもしれない。

iPhone 17 シリーズ

新型iPhoneは12日に予約受付を開始し、19日に発売される。米国での基本価格はほぼ従来通りだが、iPhone 17 Proは最低価格が100ドル引き上げられ1099ドルからとなった。公平を期すため補足すると、256ギガバイト(GB)のストレージが標準装備となり、256GB版iPhone 16 Proと同価格帯となった。

日本での販売価格はiPhone 17が12万9800円から、iPhone Airが15万9800円から、iPhone 17 Proが17万9800円からとなっている。

ブルームバーグは同日開かれた発表会で、新しいiPhoneを試用する機会を得た。以下はその第一印象だ。

iPhone 17  

基本モデルのiPhone 17は799ドルからで、画面はiPhone 16の6.1インチから6.3インチに拡大。120Hzの高リフレッシュレートに対応し、日常の操作感が大幅に滑らかになった。メールのスクロールやゲーム操作など、技術仕様に敏感な利用者には違いが実感できるだろう。

背面カメラは改良され、自撮り用のフロントカメラは格段に性能が向上。一般消費者にとっても歓迎される進化となりそうだ。筐体(きょうたい)デザインはシリーズの中で最も従来型に近いが、ラベンダー、セージ、ミストブルーといった新色が加わった。

iPhone Air

より注目を集めたのは厚さわずか5.6ミリのiPhone Airと、技術面でより進化したProシリーズだ。

iPhone Air

ブルームバーグが先行して報じ、発表前から注目を浴びていた薄型のAirは165グラムで、実際に手に取ると非常に軽量だ。ライバルのサムスン電子製「Galaxy S25 Edge」より数グラム重い程度。

Airは世代ごとのマイナーアップデートではめったに見られない未来的な印象を与える。数分間操作してみると、Galaxy S25 Edgeと同様、最大の利点は必ずしも薄さではないことが確認できた。大きなディスプレーを搭載していながら、ポケットに入れても目立たない。ただし、バッテリー駆動時間についてはアップルが「終日使える性能」と説明するものの、懐疑的になる理由はある。

さらに妥協点もある。背面カメラは一つだけだ。世界的に販売されるiPhoneでは初めて、物理的なSIMカードではなくeSIM専用となった。

iPhone 17 Pro/Pro Max

iPhone 17 Pro

Airが未来的なら、ProとPro Maxは従来型の厚みある筐体で、アップルの技術力を示す。いずれも人気を集めそうだ。

アルミ製ユニボディーの新デザインは近年のiPhoneで最も快適な持ち心地だ。角は従来モデルよりもわずかに丸みを帯び、近年の四角いフォルムと過去の丸型デザインの中間となった。

Proモデルにはディスプレーの反射を大幅に抑える新しい反射防止コーティングを採用。実際に目にすると、改良は明らかだろう。背面も改善されており、従来の光沢ガラスがなくなり、指紋が目立ちにくい。

カラーはコズミックオレンジが目を引くが、シルバーやディープブルーも見栄えが良い。

原題:Apple’s iPhone 17 Line Is Enough of a Refresh to Tempt Upgraders(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.