オルタナティブ投資会社、アポロ・グローバル・マネジメント のジム・ゼルター社長は、プライベートエクイティー(PE、未公開株)業界における資金調達の減速が今後も続くと予想しており、一部のファンドにとっては存続に関わる事態になる可能性があると警鐘を鳴らしている。

ゼルター氏は10日、バークレイズ・グローバル金融サービス会議で「投資資金を回収する大規模なサイクルが訪れるとは考えていない」と述べた。「最新ファンドの資金調達が、自社にとって最後となるPE投資会社は数多いと思う」と語った。

2022年以降、金利高止まりがPEの取引活動を抑制し、投資家への資金還元も減少。これにより、投資家が新たなファンドに投資する余力も限られ、案件の停滞と資金調達難が同時進行で起きている。

法律事務所ポール・ワイスのリポートによると、PEファンドの資金調達額は2024年4-6月(第2四半期)に世界全体で1499億ドル(約22兆円)となり、1-3月(第1四半期)の1571億ドルから4.6%減少した。

ゼルター氏は「今後5-7年の間に、消えていくPE会社も出てくるだろうが、それは自然な淘汰だ」と述べた。「アポロはその中で勝ち残る少数の1社になる」と自信を示した。

同じ会議で発言したKKRのロバート・ルーウィン最高財務責任者(CFO)も同様の見解で、PE業界は今後、統合・再編が進み、一部企業は姿を消すことになるとだろうと述べた。

ルーウィン氏は、PEファンドを運営するゼネラル・パートナー(GP)について「今後5年でかなりの統合が進むだろう」と述べ、「それは大手プレーヤーに有利に働く。われわれも顧客の期待に応えられる体制を整えており、その波にうまく乗れると考えている」と語った。

原題:Apollo’s Zelter Predicts ‘Washout’ With Some PE Firms Dissolving(抜粋)

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