(ブルームバーグ):世界的なインフレ急上昇により債券市場が打撃を受けてから3年、ついに世界の債券が強気相場に回帰した。
先進国と新興国の国債や社債を対象としたブルームバーグのグローバル総合指数は、2022年の安値から20%超上昇し、2022年3月以来の高水準に達した。
世界的な債券相場上昇の結果だが、直近の上昇は、米国の雇用指標の鈍化を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを加速させるとの見方が強まったことが背景にある。
市場ではFRBが来週利下げに動くとの見方が広がっており、一部では0.5ポイントの利下げを予想する声もある。インフレ鈍化や労働市場の弱さが見え始める中、各国中銀が利下げに動いていることを受け、債券は上昇基調を強めている。
ジム・リード氏らドイツ銀行のストラテジストはリポートで「過去24時間の市場の主なテーマは、世界的な債券ラリーの継続だった」と述べ、「この動きは、フランスの最新の政治危機への圧力緩和にもつながっている」と指摘した。

反発が続く一方で、財政リスクの高まりを背景に一部の国の長期債は依然として圧力を受けている。フランスでは予算案を巡り政権が倒れ、首相が辞任する見通しとなっている。英国ではリーブス財務相が11月に発表予定の成長と歳出抑制のバランスを取る政策案が注目されている。
日本では、石破茂首相が退陣を表明したことで不透明感が高まり、財政規律に対する姿勢が現政権よりも甘いと見なされる後継者の登場が懸念されている。
ただ、政府債務の水準が一部で懸念を呼んでいるものの、投資家の間には買いの好機との楽観的な見方が広がっている。
トゥエンティフォー・アセット・マネジメントが最近実施した調査によると、機関投資家の80%が、現在の利回り水準であれば資産横断的に見ても債券は魅力的だと回答している。
同社のベン・ヘイワード最高経営責任者(CEO)は「利回りが高いほど、潜在的リターンは高まるし、同時にポートフォリオをボラティリティーから守る効果もある。各分野で債券への資金配分を増やしている投資家が多いのは当然の流れだ」と述べた。
原題:Global Bonds Climb 20% From 2022 Low With Fed Set to Resume Cuts(抜粋)
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