自民党の河野太郎前デジタル相は9日、インフレの抑制には円安の是正が不可欠だとし、政策金利の引き上が必要だとの見解を示した。ブルームバーグテレビジョンのインタビューに英語で応じた。

河野氏は、日銀の利上げ先送りは「インフレが続くことを意味する。輸入するもの全ての価格が今より上がることになる」と指摘。円相場の安定の重要性を強調した上で、「そのためには、日銀が金利を引き上げる必要がある」と語った。

河野太郎氏(9月9日)

河野氏は8月、円高にするため金融引き締めが必要だとし、政府が日銀に利上げを要請すべきとの考えを示している。昨年7月に行われたブルームバーグテレビとのインタビューでも、急激な円安がもたらす国内物価への影響などを問題視しており、今回改めて、円の価値を高めることの重要性を強調した。

石破茂首相が7日に退陣表明したことを受け、自民党内で「ポスト石破」を決める総裁選に向けた動きが活発化している。高市早苗前経済安全保障担当相、小泉進次郎農相による争いが軸とみられる。物価高対策などに加え、少数与党の国会運営で連立拡大を含めた野党との協力の在り方が焦点になる。

河野氏は自身の総裁選出馬については「熟考中」と述べるにとどめた。過去3回の総裁選に出馬。過去最多の9人が立候補した昨年の総裁選では、支持を固められず8位となり、上位2人で争う決選投票に進めなかった。

先の参院選では、消費税減税を主に主張した野党が躍進。与党は現金給付を訴えたが、過半数割れに追い込まれた。

河野氏は、現金給付は「単に財政赤字を拡大させるだけ」であり、効果は乏しいと指摘。消費税減税についても財政赤字拡大につながるとして否定的な見方を示した。

他の発言

  • 自民党は中道右派のアプローチに戻るべきだ
  • 外国人労働者ビザには厳格なルールが必要
  • 関税の影響は日米同盟を脅かしかねない

(河野氏の発言の詳細を追加して更新しました)

--取材協力:横山恵利香.

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