(ブルームバーグ):フランスのバイル首相は国民議会(下院)で行われた信任投票で敗北した。わずか1年余りで3回目の首相交代を強いられることになり、フランスが膨らむ債務負担にどう対応するのか、あらためて不透明性が高まった。
バイル氏は不人気な財政改革への支持を集めようと動議を提出したが、野党各党は反対で結束した。信任投票で首相を支持したのはわずか194人にとどまり、364人は不信任に票を投じた。

大統領府の声明によれば、マクロン大統領は9日にバイル氏の辞表を受理し、数日のうちに新首相を指名する予定。新内閣が成立しても、直近の首相2人が退陣に追い込まれた新予算の成立という難題に挑まなければならない。
バイル氏は8日、信任投票を前に「フランスは債務の渦にのまれている」と指摘。議員に対し、「あなた方に政府を倒す力はあるだろうが、現実を消し去る力はない」と呼び掛けていた。
金融市場は今回の採決に反応を示さなかった。フランス株の代表的な指数であるCAC40の先物は0.6%高を維持し、フランス国債先物とユーロもほとんど動かなかった。

マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いる極右・国民連合(RN)や左派「不屈のフランス」は共に解散総選挙を要求。マクロン氏の辞任を求める声も一部にあるが、大統領は2027年の任期満了まで職にとどまる姿勢を崩していない。
事情に詳しい複数の関係者によると、大統領は迅速に後任を決める必要がある。18日には26年度予算案に反対する労組のストライキが予定されているからだ。10日にも別個の分散的な抗議活動が行われる予定。
ただ、新首相の人選は容易ではない。事情に詳しい複数の関係者によれば、マクロン氏にとって理想的な候補者は、中道勢力をまとめつつ、法案を通すために社会党との関係を築くことができる人物である必要がある。
原題:French Premier Bayrou to Resign After Losing Confidence Vote、French Premier Bayrou to Resign After Losing Confidence Vote (2)(抜粋)
(今後の見通しなどを加えます)
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