アメリカのトランプ政権がロシア産の石油を輸入しているインドに追加関税を発動して圧力を強めるなか、インドの財務相は、今後も国益を優先してロシアから石油の購入を続ける考えを示しました。

アメリカのトランプ政権は、インドがウクライナ侵攻を続けるロシアから割安な石油を購入し、ロシアの戦時経済を下支えしているとして、先月、インド製品に対する関税率をアジアで最も高い50%まで引き上げました。

インドのシタラマン財務相は5日、現地メディアのインタビューで、「どの供給元が最も適しているかを判断しなければならない」と述べ、今後も国益を優先してロシアから石油の購入を続ける考えを明らかにしました。

トランプ関税をめぐっては、インド政府が「理不尽だ」と不満を露わにしていて、両国の亀裂が深まっています。

一方、トランプ氏は5日、インドについて「特別な関係であり、何も心配することはない」とも述べていて、モディ首相もSNSで「深く感謝する」と応じるなど、関係修復に向け、互いに歩み寄る姿勢も見せています。