自民党はきょう、参議院選挙の敗北を総括した報告書を取りまとめ、石破総理は自身の責任に言及した上で、「地位にしがみつくつもりはなく、しかるべき時に決断をする」と話しました。
午後1時半から始まった自民党の両院議員総会。参議院選挙の敗北を総括した報告書が示され、冒頭、石破総理は自身の責任に言及しました。
石破総理
「ある意味で“石破らしさ” というものを失ってしまった。国民の皆様方の期待に応えることができなかったこと。同志の方々を多く失ったこと。それはひとえに私の責任であります。心から深く深くおわびを申し上げます」
議員を前に、深く頭を下げ、参院選の敗北について陳謝した石破総理。「国民の期待に応えられなかった」と自身の責任を認めましたが、報告書では、参院選の敗北について「物価高対策」や「政治とカネ」など“自民党離れ”を招いた9つの要因が示されました。
「政治とカネ」の問題では、「党に対する不信の底流となっていることを自覚し、猛省しなければならない」と指摘しました。
一方、「石破内閣の支持率低迷により党の基礎体力が低下した」とは記載したものの、石破総理ら執行部への直接的な責任については踏み込みませんでした。ただ、石破総理は…
石破総理
「地位に恋々とするものでは全くございません。しがみつくつもりも全くございません。責任から逃れることなく、しかるべき時にきちんとした決断をする」
物価高対策や日米関税交渉のほか、防災や農業政策などに道筋を付けた上で、「きちんとした決断をする」と話した石破総理。
一方、森山幹事長は辞任する意向を表明しました。
自民党 森山裕 幹事長
「選挙結果の責任を取るべく、幹事長の職を退任させていただきたい。私の進退につきましては任命権者である石破総裁にお預けいたします」
森山氏はこのように述べて辞意は示したうえで、石破総理に進退を預けたということです。
また、政策責任者の小野寺政調会長も“参議院選挙の公約が理解を得られなかった”として、石破総理に辞意を伝えました。
およそ3時間にわたり行われた両院議員総会で、報告書は了承されましたが、進退に言及した石破総理について総会後、出席議員からは…
自民党 寺田稔 衆院議員
「民間企業でもですね、例えばその赤字になったと。すぐ辞める経営者はいないわけです。やはり再生の道筋をつけて、しっかりとその後にバトンタッチするということで。あえてこの政局に持ち込むようなやり方は良くないと思います」
自民党 高市早苗 前経済安保担当大臣
「〔Q.(総裁選前倒しについて)どのように判断するか〕もうそれは心にとっくに決めております」
自民党では総会を終え、“総裁選前倒し”の是非を問う手続きに入ります。きょう早くも動きが…
記者
「両院総会が終わった直後ですが、中堅議員が今後の対応について協議を行います」
総会後、“総裁選の前倒し”に向けて、中堅・若手の議員が国会内で会合を開き、意見を交わしました。
石破総理は周囲に対し、“民意と党内の意見に乖離があるなら解散・総選挙も選択肢”との考えを示していて、参院選敗北の総括が「石破おろし」にどのような影響を与えるのか注目されます。

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