クーパー英内相は1日、英仏海峡を小型ボートで渡る難民申請希望者の流入が過去最多となる状況を受け、難民制度の大掛かりな改革案を提示した。

クーパー内相は下院で、難民審査を不服とした上訴に対応する独立機関の設置、収容・送還能力の拡充、難民家族呼び寄せ制度の一時停止、欧州人権条約の一部解釈変更など改革案の内容を示した。

フランスから小型ボートで到着した難民申請希望者は今年に入り既に2万9000人を超え、過去最多を更新した。スターマー首相率いる労働党政権は、ナイジェル・ファラージ党首率いる右派ポピュリスト政党「リフォームUK」から移民政策で攻撃を受け、対応を迫られている。

リフォームUKは、5年間で60万人を国外退去させ、アフガニスタンなどに受け入れの対価として資金提供を行うことを提案。労働党は全国世論調査で支持を失い、リフォームUKが4月以降優位に立つ状況だ。

クーパー内相

クーパー内相は、支援対象となる難民申請希望者の抑制に向け、「上訴制度の抜本的見直し」を表明。24週間の法定上訴期間を導入する一方、優先順位を付け、審理を加速させるために独立機関を設置する方針だ。

 

 

原題:UK Vows Asylum Reform Amid Farage Attacks and Record Arrivals(抜粋)

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