(ブルームバーグ):ヘッジファンド会社、ブリッジウォーター・アソシエーツ創設者のレイ・ダリオ 氏は、米国における富の格差や価値観の対立、信頼の崩壊が「より過激な政策」を招いているとし、米国が1930-40年代型の専制主義に向かいつつあるとの考えを示した。英紙フィナンシャル・タイムズとのインタビューで語った。
ダリオ氏は「現在の米国における政治的・社会的動向は、1930-40年代に世界で起きた出来事と類似していると思う」と述べた。
また、金融当局が政治的に弱体化すれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が通貨の価値を守るという信認が損なわれ、ドル建て債務資産の魅力を低下させると警鐘を鳴らした。
さらに、長年にわたる大規模な財政赤字と持続不可能な債務拡大が、米経済を債務危機の瀬戸際に追い込んでいると論じ、トランプ政権の最新の財政計画以前から「民主・共和両党の歴代大統領」が状況を悪化させてきたと指摘した。
トランプ政権の「新たな予算から見込まれる度を超えた財政拡大は、比較的近い将来、債務による『心臓発作』を引き起こす可能性が高い」と述べ、「時期としては3年後、その前後1~2年の間起こるだろう」と予測した。
ダリオ氏はまた、米国の財政収支の不均衡は大量の米国債新規発行を迫ることになるが、それに対する需要が供給に追いつかない可能性が高いとみている。
市場が米財政の信頼性に疑念を抱き始める中、FRBは厳しい選択を迫られることになるとダリオ氏は指摘。「金利上昇を容認して債務不履行の危機に陥るか、それとも紙幣を増刷して他の投資家が買わない米国債を買うかの二択になる」と語った。
いずれの選択もドルにとってはマイナスになると指摘した。
原題:Ray Dalio Says US Moving Towards 1930s-Style Autocracy: FT(抜粋)
原題:Ray Dalio Says US Moving Towards 1930s-Style Autocracy: FT(抜粋)
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