ブラジルのルラ大統領は、トランプ米大統領の通商政策について協議するため、8日に主要新興国「BRICS」首脳のオンライン会議を開催する。事情に詳しい4人が明らかにした。

ブラジル政府関係者2人によると、ルラ氏は米国政府が課している通商関税について議論するだけでなく、多国間主義を支持するよう、BRICS首脳らを結束させたい考えもある。

いずれの関係者も、会議の詳細はまだ正式に発表されていないとして匿名を条件に語った。

ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相、中国の習近平国家主席が、中国・天津で行われた上海協力機構(SCO)首脳会議に集まった

トランプ氏は7月、ブラジル最高裁がボルソナロ前大統領の裁判を即座に停止しなければ、より高い関税を課す考えを示した。ボルソナロ氏は、2022年のブラジル大統領選敗北後にクーデターを企てた罪で起訴された。ラテンアメリカ最大の経済であるブラジルは、現在50%の関税の対象となっているが、米国は航空機やオレンジジュースなど数百品目を対象外としている。

ただ、ブラジル政府関係者によると、米国はBRICS各国で異なる関税を設定しているため、共同声明で合意するのは難しい状況だ。また、ルラ氏は今回の会合が反米サミットに転じることを望んでいないという。

BRICS首脳会議は、8月31日に中国・天津で始まった上海協力機構(SCO)首脳会議に続いて行われることになる。習近平国家主席は同日、インドのモディ首相と会談した。ロシアのプーチン大統領も1日、天津でモディ氏と、2日には北京で習氏と会談の予定だ。

トランプ氏は、BRICS諸国が自国通貨での貿易を拡大し、ドル依存を減らそうとしていることに対し、追加関税を課すと反発している。

原題:BRICS Leaders Schedule Virtual Meeting to Discuss Trump Tariffs(抜粋)

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