オーストリアの首都ウィーンは、財政難により13年ぶりに公共交通機関の年間パスの料金を引き上げる。これに伴い、市内のバスや路面電車、地下鉄が1日1ユーロ(約172円)で乗り放題となる制度は終了する。

ウィーンでは来年1月から年間パスが最低461ユーロとなり、現行の365ユーロから26%の値上げとなる。公共交通を運営するウィーナー・リニエンが1日発表した。

ウィーンは2012年に年間パスの料金を449ユーロから365ユーロへ引き下げ、公共交通の利用促進を図った。

学生向けを含む年間パスの所有者は昨年約130万人に達し、市内の人口の約65%を占めた。2012年の約76万8000人から大幅に増加している。

市当局は、今年予測される38億ユーロの財政赤字を抑制するため、歳出削減策を打ち出している。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)によると、ウィーンは今年、世界で最も住みやすい都市の座をコペンハーゲンに明け渡した。当局が複数のテロ攻撃計画を摘発し、治安への懸念が高まったことが響いた。

欧州主要都市の公共交通機関の利用料金

原題:One of World’s Most Liveable Cities Ends Euro-a-Day Travel Pass

(抜粋)

--取材協力:Jenni Thier、Levin Stamm、Jenny Che.

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